日時:2018年10月9日
場所:江原道
天候:晴れ
参加者:kaffeeさん、tochanさん、ハムさん、やまぴーさん、ひでき(釣行記)


韓国で、鮭が釣れるとは聞いていた。
鮭って日本のスーパーとかで、切り身で売ってるアレね。


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実際にkaffeeさんが釣った写真も見せてもらった。
デカイ魚だった。

でも釣るのは、かなり難しいと聞かされていた。
最初はあまり興味が無かったけど、調べて行くうちに鮭の
習性とかに興味を持つようになった。

その①
川で生まれて、海に下り、平均4年で生まれた川に戻って、産卵して死ぬ。
海に出た4年間でベーリング海・オホーツク海・北大西洋と言った外洋を何万キロも回遊するのに、
どうやって生まれた川に正確に戻ってくるのか?
色々な学説があるが、まだ本当の事は分かっていない。

その②
日本の北海道では、地理的に鮭が多く戻ってくるので、
シーズンに入ると、海岸沿いに沢山の釣り人が来る。
地域限定ではあるが、北海道ローカルではかなり人気の高い釣りである事。

その③
鮭は、身も卵も美味しい
(これ大事!w)

特に鮭の卵はあの「イクラ」
日本だと普通、高級食材のカテゴリーに入る。

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そのイクラは、お金さえ出せば誰でも食べれるが、
自分で釣った鮭のイクラを食べれる人は、めったにいない。
釣り人ならそれができるが、日本でこれをやるなら、北海道まで行かないと無理。
(遠いわ!)

それがシーズン限定とはいえ、ソウルから車で行ける範囲で釣れるんなら・・・


行くべし!!(ドンッ)→机を叩く音


と言っても、当日イキナリ行って釣れるほど、鮭釣りも甘くない。
というか、釣れる確率を少しでも上げるためには、事前に現地に行って、
どういう釣りなのかを把握しておきたい。

一番の情報ソースは、やはり現地の釣り具屋と釣り人だろう。

遡上が始まるのは9月末頃からとの事。
鮭を釣りたい一心で、普段はやらない事前調査に行くことにした。


8月下旬、遡上にはまだ早いが、現地に行き、釣り人や釣り道具屋で聞き取りをする。

韓国の田舎の釣り具店さんは、個人経営が殆どで、店主さんもクセがある人が多い。
質問する時は、何か釣り具を買い物するついでに聞くのが絶対の鉄則(笑)
ただ聞くだけだと、あまり教えてくれません(という気がする)

何件か釣具店を回って、現地の釣り人にも聞いて、鮭釣りの情報を入手。
これで何となく、釣りのイメージが掴めてきた。

事前の調査で、禁漁時期は把握済み。
今年は、10月11日から11月末までが禁漁期間。
(釣り場周辺にも告知が張ってある)

現実的なチャンスとしては、9月末から10月10日までの約10日間。
でも、この期間内であれば、川のどこで鮭を釣っても大丈夫なのだ。
今年、この期間は鮭釣りに集中決定w


10月初旬、kaffeeさんとやまぴーさんと現地に入る。
事前偵察でポイントはある程度、下見してあるが、
なんせ、この釣りは、鮭が遡上しないとどうしようもない。

台風が通過した翌日なので雨で濁りがキツく、ルアーを投げても全く反応がない。
アピールの強い大きなスプーンを投げてもダメ。

濁りでどこか別の場所に退避したか、そもそも遡上が始まっていないのか?
決定的なのは、いつもいる地元のアングラーが全然いない。
こりゃダメだ、という事でこの日は早々に撤収。


10月9日、また釣り場に行って、川の状況を見る。
濁りは収まっている。天気も良さそう。

今日は、禁漁期間前の最終休日という事もあり、
釣り人の数は今までで一番多い。
夜明け前から、ポイント周辺は車の往来が激しい。
鮭も、大きい群れが遡上してくる事を期待したい。

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鮭は海から遡上して来るので、釣り方としては、

海か河口付近で釣るか、
川の遡上途中で釣るか、

のどちらかになるが、海の方は河口周辺は全て立ち入り禁止エリア扱いで、
金網が張ってあり、アクセスできないので、川で釣るしかなさそう。

鮭釣りは、韓国人アングラーにも人気。
この韓国人アングラーは、大別すると2タイプに分かれる。

ひっかけ釣り
フライ釣り
のどちらかだ。

引っ掛け釣りは、とにかく鮭を釣りたい、食べたい、
って感じの人たちで、圧倒的に数が多い。
あと、地元のアングラーはエサ釣りも少しいるが、殆どが引っ掛け釣りだ。

フライ釣りは少数派だが、鮭を趣味として釣りたいって感じで、
釣った鮭をリリースしてる人もいる。

私は当然・・・、

鮭を釣って、食べたいんじゃ~!
である。


釣り場全体を見て、全体の9割は引っ掛け釣りをやっている感じだ。
特に地元の人は、効率を重視するのだろう、エサもいらない引っ掛け釣りがメイン。

やってる人の数も多く、簡単そうに見える引っ掛け釣りだが、これはこれで結構難しい。
まず、ひっかけ仕掛けを遠投できる、デカイ竿とリールが必要。
魚を目視で見つけれるポイントと時間帯。
さらには競争率の多さ。
(有望な引っ掛けポイントには多数の引っ掛け師が来る)

ただ、どうしても引っ掛け釣りは自分的に「美しくない」(笑)
まあ現実的には、素人がいきなり初めて、引っ掛け釣りで釣るのも不可能に近い。
引っ掛け釣りも普通の釣りとは違う、道具・時間帯・ポイント・ロッドワーク等の
ノウハウがあるのだ。
地元の良く釣る人は、このあたりの経験に長けている。

我々が選んだのは、ルアー釣り。
川に遡上した鮭は、エサを食べなくなると言われているが、
ルアーなどの動きをみて、リアクションバイトする習性を利用するのだ。

ロッドは、シーバス用ML
リールは3000番クラス
ラインはPE2号+25ポンドリーダー
スプーンに赤タコベイトを付けてひたすらキャストする釣り。

鮭が大量に遡上してくると、魚の背びれが水面に出てきて、
魚群が分かるらしいが、見えなくても休みながらキャスティグを続ける。

近くでフライマンが鮭を釣ったようだ。
事前偵察を含めて、今までは、自分の周りにも、鮭をフライやルアーで釣った人が殆
どいなかったので、鮭釣りイコール釣れない・難しい、のイメージだったが、
今日は釣れている様子。
期待してキャスティングを続ける。

別の場所で釣りをしているやまぴ~さんも1匹釣ったとの連絡が入る。
よっしゃ!今日は確実に魚はいる!

鮭のアタリは小さいと言われている。
そもそもエサを食べない遡上鮭は、ルアーを見てもあまり反応はしないし、
バイトミスしたルアーを追いかけ続けたりすることも、まず無いらしい。
と、なるとアワセは、小さくとも反応あれば即アワセがよさそうだ。

魚が浅いタナにいるかもしれないが、基本は、ボトムをトレースするイメージでルアーを引く。
30~50m程のキャスティングで、着水・テンションフォール・着底・ボトムトレースリトリーブ、
を続けていると、着水してからのフォール途中に、コツンと反応らしきものを感じる。

んっ!?
と思い、合せを入れるがすっぽ抜け。

アレ?何だったんだろ?と思い、投げ続けるが、次のフォールでも同じアタリが来たので、
同じようにアワセを入れると・・・乗った!

ロッドが強烈に曲がり、重量感たっぷりの引き。
途中まで引き寄せても、またドラグを鳴らして遠くまで逃げる。
海の青物と違って、一気に突っ走るような感じではないが、
それでも十分なパワー。水中で頭をゴンゴン振って抵抗している。

なかなか近寄って来ないが、しばらくのやり取りの後に、ランディング成功。


デ、デカイ!!

70㎝ぐらいのサイズだ。
胴回りも太い。

そりゃ引くパワー凄いわ。

これぐらいのカンパチを釣ったことがあるが、あれは船釣り。
川のルアー釣りで、このサイズが釣れるのは、シーバス位だろうか?


それにしても、それにしても・・・

マジで鮭じゃん!

え?川で?
韓国で?

鮭、釣れるんだ!?

もう感激とパニックで頭が一杯(笑)
みんな聞いてくれ!

これより大きい魚は世界に沢山いると思うが・・・、
これだけは言わせてくれ!

オレは、韓国で、鮭を、釣ったぞ!!

\(^o^)/(感激!!)


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その後、キャスティングを続けるが、コンスタントに釣れ続ける。
釣っている本人が信じられないぐらい、アタリが続く。

今回のポイントは、川の流芯で、流れは緩やかだが、周囲より水深が深く、
魚が溜まっているようだ。それか遡上前の群れに運良く当たったか?

アタリは確かに小さいが、ルアーに見慣れていないのか、いい反応が続く。
反応が無くなると、スプーンの色や重さを変え、タナも表層・中層・ボトムと
探り続けながら投げ続ける。

コンスタントに釣れてくれるので、やる気テンションはMAX。

普段なら20回キャストして無反応だと帰りたくなるが(?)今日は集中できる。

ルアーのローテンションで、タコベイト無しのトリプルフックだけでも釣れたが、
タコベイト付きの方がずっとアタリが大きく長い。
タコベイトのゴム感覚が、鮭の食い込みの違和感をなくすような感じだ。


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最初はフォールでアタリがあったが、表層とボトムトレース、両方でもアタリはある。
遡上の群れが来て、時合が合えば、ルアーでも鮭は釣れるのだ。

数匹釣れたので、周囲の韓国人も集まってくる。

どうやって釣った?
ルアーは何?
と聞いてくる。

中には釣れたルアーを勝手にスマホで撮影していくアングラーまでいる('Д')
まあ研究熱心なのはいいけど、一言ぐらい撮ってもいいかと、
聞いてくれてもいいじゃないか・・・(泣)

釣り人の執念、恐るべしw


今日、釣りに行く前は、1匹、できたら2匹釣れれば最高、と思っていたが、
何と午前中で5匹、夕方に3匹と、1日で合計8匹の大釣果!

大漁じゃぁぁぁ~!!


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ポイント、時合、ルアーが上手く噛み合った結果だろう。
一緒に釣りに来た人たちに、釣れた鮭を現地でお裾分けする。

皆が海でヒラマサとか釣ったときには、私も貰っているので、おあいこだ(^^)
まさかこんなに釣れるとは思わなかった。

帰りの運転、事故しないように慎重に運転する(笑)
ソウルに戻り、鮭を捌くと・・・、

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アヒャ~!!
イクラたっぷりやんけ~!!

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イクラ+レシピ、で調理法をネット検索。

筋子からイクラ単体にほぐすのは、ちょっと手間ですが、
それでもイクラの醤油漬けを作るなんて、去年の自分なら想像もしなかった出来事。

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鮭のオスはイクラが無いが、身が美味しいらしい。
メスはイクラがある代わりに、身はイマイチと言うが、
私がオスとメスを食べた感じでは、両方とも普通に美味しかったです。

雄の口は中々の迫力。カッコいい。
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身は塩焼き。
イクラはしょうゆ漬け。

有難く、美味しく、頂きました(^^)

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鮭は面白い習性を持つ魚です。
しかし昔と違い、現在は水害防止の為、従来の河川は護岸工事が進められており、
天然の鮭が、自然産卵で数を増やすのは年々厳しくなっています。

遡上量のデータを見ると、日本の北海道は鮭の放流数や遡上量が別格に多く、
韓国に比べると、鮭天国と言っても良いレベルですが、その北海道ですら、
人間が人為的に鮭の産卵を手助けする行為の上に、鮭の生態は成り立っています(人工ふ化)

韓国は、地理的にベーリング海等の外洋から離れており、鮭が遡上するには厳しい条件です。
それでも何万キロ先の外洋からでも、韓国の生まれた川に正確に帰ってくる鮭を、
ただ釣るだけではなく、その存在に感謝と尊敬の気持ちをもって、また釣りに行きたいと思います。


鮭、本当に美味しかったッス!(^^)


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